冬の最低気温ランキングのページを作成しました

2010年12月18日

今週はようやく冬らしい寒さになりました。そこで、2010-2011年冬の最低気温ランキングを公開することにしました。2010年猛暑ランキングに続き活用していただければと思っています。

ところで、気象庁のホームページを見ていると、平成22年12月16日付けで 気候サービスのための世界的枠組みに関するハイレベルタスクフォース ~ 第5回会合(最終会合)について ~という報道資料が公開されていることに気がつきました。このタスクフォースは、「第3回世界気候会議(WCC-3)」で、気候サービスの提供者と利用者間の連携強化を通じて、利用者が意思決定に活用しやすい気候情報の提供を推進する「気候サービスのための世界的枠組み」を構築することが決定されたことにより設置されたもので、日本からは宇宙航空研究開発機構の向井千秋さんが参加しています。(WMOのタスクフォースのページ

第5回の会合では、最終報告書についての概ねの合意が得られたということで、報告書構成については、「報告書は3つの部で構成。第1部は提供される気候サービスの現状、第2部は利用者が求める気候サービスと現実とのギャップを提示。これらを受けて、第3部においてそのギャップを埋めるための「枠組み」のあり方を提示。」となっているそうです。

この記事を読んでいると、日本での気象データの提供のことを思い浮かべてしまいました。実はこのページについても、この程度のことで気象庁から目くじらを立てられることはないと思っているのですが、やはり気象データの取得にグレーな部分が残っているというのは実感していることろです。詳しくは、「effyの日記」の気象情報の著作権を見ていただきたいのですが、気象データを公式に入手しようとすると非常に高い費用が必要になります。一方で、気象庁のホームページからダウンロードしてデータを作成することはそれほど難しいことではありませんが、著作権の問題が出てきてしまいます。私のこのウェブページに関しての著作権についての見解は、観測データにはそもそも著作権というのはおかしいし、著作権があったとしても、ごく一部のデータを「引用」して公開しているだけなので問題はないと思っています。また、気象データの収集では、「自動巡回ソフト等による、定期的、自動的な気象データの収集等は、サーバーに負荷がかかる等の理由から、原則としてご遠慮いただいております。」となっているので、利用者の少ない早朝に収集してサーバーに負荷をかけないよう配慮をしているところです。

アメリカの場合は、気象データを米国海洋大気庁(NOAA)の下部組織である米国気候データセンター(National Climatic Data Center:NCDC)がNNDC Climate Data Onlineで提供しています。データにつては、有料のものもありますが、このページで利用しているデイリーのデータについては無料で入手できます。また、利用については、WMO Resolution 40(WMO決議40)に基づいて行われており、商用の利用についてはアメリカ国内で、非商用であれば世界で自由な利用を認めており、再配布も可能となっています。

一方、日本の場合は、気象統計情報のページは非常に良くできていて、その範囲で利用している限りにおいては便利なのですが、自分で資料を作成しようとするとデータによる提供がされていないのでかなり手間がかかるようになるし、このページのようにデータを公開しようとするとグレーな領域になってしまいます。このあたりは、アメリカとの国民性の違いを大いに感じてしまいます。気象条件によって利用が変動する商品の販売予測等気象データを有効に活用することができる事例でコスト面等の理由により活用できていないケースはまだまだ多いと思うので、WMOの報告書がまとまった機会に、日本でも無償で自由な利用を認める気象データの提供を実施する方向になって欲しいと思っています。

2010年猛暑ランキングのページについて

2010年10月2日

2010年日本猛暑ランキングのページについては、多数の方からアクセスをいただきありがとうございました。9月末で更新は終了し、猛暑の記録として残しておくことにします。気象庁の気象統計情報のページは、便利でよく使っていますが、観測地点間の比較に手間がかかるので、今後、猛暑、冷夏、寒冬、暖冬等があればホームページを公開したいと思っています。その時には、連続記録も掲載していこうと思っています。

また、京都府京田辺市で9月5日に最高気温39・9度が記録されましたが、9月30日に気象庁はつる草の影響によるものだということで京田辺の8月25日から9月6日の気温の記録が統計から削除されました(気象庁 アメダス観測環境の緊急点検結果について)。ランキングのページでもこの件を反映させました。

秋分の日です

2010年9月23日

今日は秋分の日ですが、やっと涼しくなって猛暑が終わったという天気なりました。2010年の猛暑の記録をどうやって整理をすればいいのか思案しています。コメントにあった連続猛暑日、連続熱帯夜も含めて今年の猛暑の記録が整理できればと思っています。

秋分の日といえば、北半球では、サマータイムが終了し、南半球では、サマータイムが始まる季節になったということです。主な国のサマータイム等の開始日は以下のとおりで、詳しくは世界時計のページをみてください。

・サマータイム開始日

  • ニュージーランド 9月26日(日)
  • オーストラリア 10月3日(日)
  • チリ 10月10日(日)
  • ブラジル 10月17日(日)

・冬時間開始日

  • エジプト 10月1日(金)
  • ヨーロッパ・ロシア・トルコ 10月31日(日)
  • メキシコ 10月31日(日) (一部の地域では11月7日(日))
  • アメリカ、カナダ 11月7日(日)

2010 夏の猛暑について

2010年9月1日

今年は、8月が終わりましたが依然として厳しい暑さが続いています。今年の夏は、全国的に厳しい暑さが続き、各地で猛暑日(最高気温35度以上)や熱帯夜(最低気温25度以上)の記録が更新されています(最新の猛暑ランキングはこちら)。群馬県館林、兵庫県豊岡、埼玉県熊谷、大分県日田等では、8月31日で猛暑日が10日以上続いています。また、大阪では、8月の平均気温が 30.5 度と30度を超えています。他にも8月の平均気温が30度を超えている地点には、岡山、京都、高松、福岡、堺、新居浜、広島等があります。

東京では8月の平均気温は29.6度で過去最高でした。この気温が異常なものかどうかについて調べるため、東京の1910年から2010年までの8 月の平均気温をグラフにしてみました。グラフをみればわかるように、今年の厳しい暑さは特に異常というわけではなく毎年の気温の変動の範囲内だと思われます。100年間で平均気温が約2度上昇しているので、今後は今年のような暑い夏になる可能性が高くなります。気温が高くなっている原因としては、地球温暖化だけでなく、ヒートアイランド現象の影響が大きいと考えられます(東京都ホームページ)。今年の夏の暑さを異常気象だと騒ぐのではなく、長期的にヒートアイランド対策をおこなう契機としてほしいと思います。京阪神を中心に瀬戸内海沿岸の大都市では、特に暑さが厳しく、これ以上暑くなると健康面の問題が大きくなってくると思うので、ヒートアイランド対策を地道に進めてほしいと思っています。

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猛暑ランキングのページを作成しました

2010年8月23日

昨日は、21日までの猛暑ランキングを作成しましたが、当分厳しい残暑が続くようなので、毎日更新できるように、2010年 猛暑ランキングのページを作成しました。

気象庁の気象統計情報のデータについては、ある観測地点のデータを入手したい場合は便利なのですが、今回のように全国のランキングを作成したいような場合には非常に手間がかかります。今回の猛暑ランキングの作成したことで、気象庁の気象統計情報のデータを素早く集計するやり方を習得できたので、暇なときに他のデータも集計して公表したいと思っています。もし気象統計で集計したいデータがありましたら、コメントに記入していただければ、優先して作業をするようにしたいと思っています。