2010 国勢調査速報値を将来推計人口と比較してみました

2011年2月27日

2010年国勢調査速報値を、国立社会保障・人口問題研究所が作成している将来推計人口と比較してみました。将来推計人口は、今までは下方修正だらけで全く当たらないといわれてきました。でも今回は、出生中位(死亡中位)で、2010年の推計値が127,176千人に対して、実績値である2010年国勢調査の速報値が128,056千人で比較すると実績値が約880千人多くなっています。下方修正を続けてきた将来推計人口ですが、次回の推計では下方修正をしなくてすみそうです。

推計より実績が多くなった理由としては、出生数が推計よりも増加したというのが一番大きい原因です。将来推計人口での2005~2010年の出生中位での出生数は、4,994千人に対して、人口動態統計の確定及び推計値では、約5,479千人で、将来推計よりも485千人上回っています。

市区町村別に、国勢調査速報値と将来推計人口の2010年の人口を比較したページを作成てみました。カラースケールも表示しているので、どの市区町村が増加しているのか減少しているのかがよくわかります。市町村別に見ると、東京を中心とした一部の都市だけがカラースケールが緑色になっており、一部の都市への集中が加速していることがよくわかります。

次回の推計では下方修正をしなくてすみそうと書きましたが、それはあくまで全国の話であって、下方修正が必要な地域は多くあります。県単位でいっても、将来推計人口よりも、鳥取県 -1.2%、山梨県 –1.0%、高知県・青森県 -0.9%、岩手県・山形県 –0.8% と減少している県もあります。これらの県では、県庁所在地であっても人口が減少しており、まさにカラースケールが赤色ばかりになっています。原因としては若者の転出が増加したと考えられ、2005~2010年は地方の厳しさが一段と進んだ時期だといえると思います。